風邪は内科に行った方がよい?
風邪をひいた人の多くは「病院に行った方がよいのかな?」と悩みますよね。
なんとなく、内科で診てもらった方が良さそう、と思うのが風邪をひいた人の心情と言うものです。
しかし、本当に風邪は内科で診てもらった方が良い病気なのでしょうか?
「自分で明らかに風邪であると判断できる場合は医療機関に行かなくても良い」という考え方もあります。
よく「この程度の風邪であれば病院に行かなくても家で寝てればいいや」と判断して内科に通院せず家で安静にしている人がいますよね。
実際にこれも正解なのです。
なぜ自分で風邪だと分かっている人は医療機関に行かなくても良いのか、その理由は風邪を根本的に治療する医学的手段がないからです。
風邪と言う病気は人間にとってもっとも身近な病気ですので、意外に感じる人も多いでしょう。
しかし、薬や手術で風邪を直接治療する術は、現代の最新医学をもってしても存在しないのです。
そもそも風邪と言うのは、ウイルス性の上気道感染症です。
しかし体内にはさまざまな常在菌が住み着いており、それらが免疫のような役割を果たしたり、消化を助けたりして、私たちの健康が保たれています。
つまり人間と細菌は共存関係にあるのです。
ウイルスが上気道に感染した場合、無理にこのウイルスのみを除去しようとすれば、人間の健康に必要不可欠な常在菌まで除去してしまうでしょう。
体内で特定のウイルスのみを除去することは容易ではないのです。
風邪は、自分の治癒能力で治すことができます。
免疫細胞や常在菌の働きによってウイルスを殺菌したり、体外へ排出したりすることで、風邪を治すことが可能です。
発熱しているのはこの治癒機能が正常に機能している証拠でもありますので、無理に解熱すればウイルスに有利な体内環境を作ってしまう場合もあります。
内科に行って待ち時間を過ごし診察を受けている間に体力を消耗して免疫力を低下させてしまう可能性もありますので、我慢できるくらいの症状ならば、解熱せずに家で安静にして水分や栄養を補給していた方が良い場合もあるのです。
しかし「通院するまでもない」と判断してよいのは、あくまでも普段から健康な人の場合です。
インフルエンザのような症状の重い風邪の場合、通常の重症化のリスクも高くなりますよね。
そしてその重症化のリスクが高い患者層と言うのも、実際に存在しているのです。
高齢者や免疫が弱い体質の人などがそれに該当します。
そのような重症化リスクの高い体の人は、些細な風邪であっても通院することがおすすめです。